とてもおもしろかった。
私は『黒い時計の旅』を読んでエリクソンファンになったのだが、これを読んで『黒い時計の旅』を再読したくなった。『黒い時計の旅』の次に書かれた作品だから、どこかふたつは似ていて、これぞまさにエリクソンという作品だと思う。
全ての作品を読んだわけではないが、パラレルワールドの複雑さで言えばおそらく断トツなのではないかと思う。幾つもの歴史が、幾つもの時代が、幾つもの世界が、同時に存在し絡み合っている。
ひとつの決断がその後を左右する、という当たり前な事に源はある。
ふたつの選択肢があれば、そこにはふたつの歴史がある。
ややバイオレンスでエロティックな感が強いから、苦手な人も多いかも知れない。