『告白』
映画とはこういうものだと言わんばかりの作品。映画という短い時間でうまくまとまっているし映画の良さがふんだんに生かされていた。とにかく映像の見せ方(色とかカットとかスローとか間とか)がすごく良かった。内容というよりは映像。
私は子役の芦田愛菜ちゃんがすごく好きで、彼女を見ていると可愛くって可愛くって簡単に泣けてしまう。この映画にも出ていてやっぱり可愛い。
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『悪人』
妻夫木聡という俳優がこんなにちゃんとした俳優さんだったなんて知らなかった。彼の出ているものをあまり見たことがなかったから。妻夫木くんも良かったけど、やっぱりこの映画は樹木希林がいい。とにかくいい。
それで、この映画を見ながら私はわんわん泣いた。旦那さんもびっくりなくらい大声あげて泣いた。どうしてだか分からないけど、後半終わりかけに泣くスイッチが入ってしまった。
『告白』は映像だったけど、これは人物描写。役者の腕にかかっている感じ。言わなくても心情伝わる。沢山の入り交じった感情がすごくよく分かって、本当にいい映画だった。
静かで淡々としていて、心を描く。こういうの日本は本当に得意なんだと思う。
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『KICK-ASS』
エンターテインメント性が高くすごく面白かった。
ヒーローに憧れる主人公(キック・アス)は特殊能力ゼロ、モテ度ゼロ、体力微妙。そこへニコラス・ケイジ(ビッグ・ダディ)とクロエ・グレース・モレッツ(ヒット・ガール)が演じる親子が現れる。こちらは主人公とは違って本気で強い。簡単にじゃんじゃん殺す。でもそのシーンで流れるのは The Dickies の Banana Splits。そのギャップ感がいい。The Progidy とか The Little Ones とか、曲が全般 POP で UKゲイって感じがいい。
ニコラス・ケイジはバッドマン、マフィアの息子はMr.インクレディブルのシンドローム(私が勝手にそう思っている)、そういうパロディ風なのに内容はすごくしっかりしていて深い。
買い物はネット、MySpaceに登録してたり、携帯で撮った映像がYouTubeで流れ一躍有名になり、マスコミと世間の騒ぎ方だったり、その流行の速度だったり、今の時代そのもの。
ヒット・ガールが言う「力が無いからといって責任を取らなくていいなんてことはない」というような台詞のためにこの映画は作られたように思う。