田村俊子さんも岡本かの子さんもはじめて読んだ。
読んでない作家さんは山ほどいる。
周知の通り、かの子さんは太郎さんのお母さん。それでなんとなく敬遠していたのだが、読んでみたら案外好きな文章だった。淡々としていていい。
この『鶴は病みき』の鶴はたぶん芥川龍之介のことのように思う。容姿の描写と人生が芥川を思わせた。
田村俊子さんの方は、林芙美子に近い印象だった。弱いのにたくましい。
男性と同じようにたくましく生き、女性なのに普通に男に殴られたりする。でも今のDVみたいな感じとは違って怯えたりしない。言いたいことを言い、殴られ、また言い合う。対等でありながら殴られるという不思議。
この時代の女性は現代の私たちには理解できないところもあるけれど、たくましくて感心する。