2016/05/17

目取真俊『虹の鳥』(影書房)



深夜に読みはじめ、内容の過激さに気持ち悪くなって夜が明けるまで眠れなくなった。
今まで読んだ本の中で最も残虐で暴力的だった。身の毛がよだち、血の気が引いて、読めないところが多かった。すごい作品。衝撃的な本だった。

2016/05/16

大田治子『手記』(新潮社/1967年)



興味深く一気に読んでしまった。母静子との暮らしが知れて良かった。父である太宰治のこと、その死について、自分が愛人の子供であること、治子がどんな風に考えていたか分かってとても興味深かった。

木山捷平『続編 日本の旅あちこち』(講談社文庫)

満州ものの方がサクサク読めたけれど、これはこれでそれなりに面白かった。

2016/05/15

木山捷平『長春五馬路』(講談社文庫)


これは、先に読んだ『大陸の細道』の続編のようなもの。
こちらはどんな状況でも生きていく様々な女性たちをメインに戦後の長春の生活を描いている。
引き上げ後の『苦いお茶』も読んでみたくなった。

2016/05/02

木山捷平『大陸の細道』(講談社文庫)

あっという間に読んでしまった。とても面白かった。続きとなる作品も読んでみたい。

2016/05/01

獅子文六『てんやわんや』(ちくま文庫)

ずっと読みそびれていた獅子文六さんをようやく読むことができました。
噂通り面白かったです。
主人公の性格がそのまま作品のテンポになっている感じで、この主人公の考えや行動がいちいち面白いのです。クスッとするような面白味というか、「こういう人っているよなぁ、分かる分かる!」という面白味があります。
THE娯楽という感じで本当に楽しく読めました。

主人公とその周りのキャラの濃い人々、舞台が愛媛というとちょっと『坊ちゃん』を思い出します。わざと『坊ちゃん』を思い出させるように書いたのではないかと思いました。『坊ちゃん』のコメディ。真っ直ぐでやんちゃな坊ちゃんに対し、こわがりで逃げ腰で長いものに巻かれて火中の栗は絶対に拾わない犬丸潤吉。『坊ちゃん』も主人公坊ちゃんの性格がそのまま作品となっているし、この作品が新聞小説ということもあって漱石を意識したのかなぁ、なんて思いました。

最後に掲載されている、獅子文六さんが書いた「【付録】てんやわんやの話」を読むと、獅子文六さん自身がとっても面白い人なんだなぁと分かります。目のつけどころや感じ方が多分今でいう芸人さんに近いような気がします。

装幀のイラストも好きです。ゆるっとしていて作品に合っていると思うし、こういう表紙なら若い人も手にとりやすいように感じます。

てんやわんやという言葉はこの本で改めて広まったそうです。びっくり。