蜷川幸雄監督作品『青の炎』を観ました。
10代の自分を、若い時にしかないまっすぐさを思い出しました。
若さゆえの狂気、若さゆえの憤り、若さゆえの正義、そういうものたち。
私も若い頃はそうだったのに、いつの間にか失われてしまいました。
内容は予測できているのに、最初から最後まで悲しかったです。
蜷川さんの画の見せ方と、二宮和也くんの素晴しい演技が切なくさせるのです。
ラストの、とある画に、胸を抉られて、あまりにも苦しくて精神安定剤を服用しました。
一晩経ってもその画は脳裏に焼き付いて離れず苦しいです。
私はニノの演技力をとてもかっています。彼が演じると本当にその人物が存在するような気がします。彼の存在感と『普通の子っぽさ』はアクターとしてものすごい武器だと思います。
彼が主演でなかったらこれほど良い映画にならなかったと思います。
普通さと異常さ、狂気とやさしさ、正義と不義、憎悪と愛情、相反する感情も見事に演じていて素晴らしかったです。