2010/06/28

『砂の本』ホルヘ・ルイス・ボルヘス(集英社文庫/篠田一士訳)


ようやく読み終わった。だいぶ時間がかかってしまった。

この本は、限られた時間に読むべき本ではない。何時までとか、この時間内だけとか、そういう決められた時間にさらりと読むに相応しくない。たっぷりとした時間を有している時に " さあ これから読むぞ " と心を決め、どっしりと構えて読むような本である。私はそう思う。

「砂の本」にある文章は、小説でも物語でもなく文学である。

この本は、「砂の本」「汚辱の世界史」「エエトセトラ」に分けて収められた短編集である。
読みやすいのは「汚辱の世界史」(この中には吉良上野介の話もあって、驚いた!)と「エトセトラ」なのだが、読み終わってから読み返そうと私が思うのは「砂の本」だ。

今はチャールズ・ブコウスキーの「詩人と女たち」を読書中。