本のタイトル通り、詩人と彼に関わる女たちの話。
詩人ヘンリー・チナスキーは50歳を超えたアル中の詩人。体重102キロ、猪首、短足、目は濁り、赤ら顔。でも美女がひっきりなしに寄って来る魅力的な男。四六時中酒を飲み、ギャンブルをし、次から次へとやってくる女たちとセックスをしまくる。登場人物たちの殆どがみな口が悪く、クスリをやり、一般的に言えばどうしようもない人間だ。でもそれは誰かであって誰でもなく、すべての人に当て嵌まるように私は感じた。
チナスキーが語る女たちの話。ただそれだけ。しかし、それだけだからこそ人間的で、現実を感じる。語り過ぎないのが詩人だと作中でチナスキーも言っている。
愛を怖がりただのセックスに逃げるチナスキー。
人を嫌うくせに何もないことから逃げるために酒を飲み続けるチナスキー。
愛を怖がりただのセックスに逃げるチナスキー。
人を嫌うくせに何もないことから逃げるために酒を飲み続けるチナスキー。
詩人と女とセックス、それだけで人生のほとんど多くを提示できてしまうのかも知れない。そこには人間のすべてが詰まっていると言っても過言ではない。