この間書き忘れていたが、野見山さんは田中小実昌さんの義兄である。
だから野見山さんのエッセイには「コミちゃん」として田中小実昌さんがわりと頻繁に登場する。
かなり前から田中小実昌さんの本を読みたいとは思っていて近所の古本屋などに立ち寄る時は探してみるのだが見当たらず未だに読んでいない。そんな状況でエッセイの中で「コミちゃん」に何度も会っていると、やっぱりどうしてもコミちゃんを読んでみたくなってしまってネットで買ってしまった。
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先に読んだ『四百字のデッサン』は1960〜70年代に書かれたもので、『うつろうかたち』は2003年刊行。
だから『うつろうかたち』を読んで感じたのは、文章が作家風になったなぁというところだ。
でも私はそういうのより気取らない文章の方がいいなと思う。小洒落た文章はどことなくニセモノっぽく響く。
そんな中で、講演をもとに起稿された第三章がいちばん良かった。
野見山さんの画家としてのリアルな声があって興味深かった。