2012/02/11

『バルセロナ散策』川成洋、坂東省次 (編)(イスパニア叢書 / 行路社)



 4月末にスペイン(主にバルセロナ)へ旅行に行くので、スペインに関する本を読みたくて購入した。

 私はスペインのことをまるで知らない。
 スペイン内戦だってピカソのゲルニカが描かれたってことくらいしか知らない。
 だからこの本を読んでまず驚いたのが、バルセロナは独立した国のような存在であることだ。マドリッドはカスティーリャ、バルセロナはカタルーニャ、だってことすら知らなかった。
 内戦におけるバルセロナの立場とか、バルセロナ政府の大統領(彼、ルイス・コンパニイスは国家反逆罪で逮捕されモンジュイック城で銃殺される)がいたこと、バルセロナ人民オリンピックなるものが開催されるはずだったこと、などなど、もー 知らないことだらけである。
 さらに、ジョージ・オーウェルが労働者側として内戦に参戦してることも知らなかった。(私、オーウェルの本読んだよなぁ....。全然知らなかった.....。ヘミングウェイも内戦に参加していると本にあったので調べたら『誰がために鐘は鳴る』はフランコ側として内戦に参加したときのものなんだ。読んでみたくなった。)

 とにかく、知らないことだらけで私には興味深く面白い本だった。

 まず、芸術(ピカソ、ダリ、ミロ、カルザス、ジュジョール、モデルニスモの画家カザスとルシニョール)
 次に、歴史(主に内戦に参戦したオーウェルを通して。ビダール大司教やサルバドール・セギーの話もおもしろかった)
 そして、文学(言語事情やカタルーニャ文学)
 最後は、生活と食
 それぞれの人がそれぞれに短いテクストを書いていて、様々な内容が楽しめるのが良かった。
 旅行に行くのが楽しみになってきた。