2010/12/28

2011年の日記帳


2010年は新潮文庫のマイブックを使っていた。
来年も同じものにしようと思っていたのに、ITOYAでこれを見つけてしまった。
ひとめぼれ。
この紙に合うインクと万年筆も欲しいなぁ。

『愛人』と『北の愛人』





どうして『愛人』は私を苛立ちに似た悲しい気持ちにさせたのかわかった。
『愛人』と『北の愛人』は愛人が生きているうちに書かれたものと亡くなって書かれたもの。前者と後者は愛人に対する書かれ方が違う。
私は少女に深い愛があることを明瞭と言って欲しかったのだ。

結婚とかずっと一緒にいるとかそういう結末にはどうしたってなれなくても、そこには本物の愛があったと言って欲しかったのだ。
本当はあなたとずっと一緒にいたい、と。

中国の男も少女もふたりは別れることがわかっている。二度と会わないこともわかっている。それでも愛は本物だと、死ぬまで忘れないと、私はふたりに言って欲しかったのだ。

だから私は『愛人』では苦しくなって『北の愛人』では愛おしい悲しさを抱くのだ。だから私は『北の愛人』は好きで『愛人』はあまり好きじゃないのだ。
だから私の『愛人』という本の評価は個人的な願望が含まれているから全然当てにならない。


『北の愛人』はまだ途中。あともう少し。


* * *


『北の愛人』読了。



こちらは私が想像していた「愛人」だった。中国の男と少女の愛の物語。愛と死の物語。
個人的な思いから、私情とあいまって、最後にはうるっとした。
そのあと、不意にいろんなことが襲って来て心がめちゃくちゃになってわんわん泣いた。

軸になるのは中国の男と少女の話なのだが、他にたくさんの様々な話が盛り込まれている。
様々なエピソードが示唆する要素と愛と死の内容がデュラスの文体と手法によって絡み合い、ただの愛の話を脱することができている。メロドラマから文学へ変貌している。

『愛人』『北の愛人』と続けて読むといいと薦めてもらってそのように読んで良かった。私も2冊続けて読むことをお薦めしたい。

2010/12/27

ChupaChaps Tree


以前にTOKYU HANDSで見てカワイくて面白いから欲しいと思っていたチュッパチャップスのツリー。
クリスマスシーズンになってHANDSに行ったら売り切れと言われ、LOFTに行ってみたらこれまた売り切れ。そうなると何が何でも手に入れたくなって、結局ネットで購入。

おうちに遊びに来た人に好きなチュッパチャップスを持って帰ってもらうのです。

2010/12/25

『愛人 ラマン』マルグリット・デュラス(河出文庫/清水徹訳)

これが流行ったのはいつだっただろう? あまりにも流行り過ぎて読むタイミングのなかった本。
今回、何故今さら読むことにしたのかというと『愛人』と『北の愛人』を続けて読むといいよ、と人から聞いたからだ。

デュラスの作品自体一冊も読んだことがないから、初めはその文体に戸惑ってしまった。いかにもフランス風だと思った。読み進めていくうちに、あれよあれよとあっという間に読み終えてしまった。

そして、全然愛人の話じゃないじゃん! ていうか愛人(あいじん)じゃなくて愛する人って意味なのか!とびっくりした。
あんなに流行ったのに何故か間違った認識でいた自分にびっくり。

当初思っていた、少女と中国人の男についてはそれほど書かれておらず、家族のことが殆どを占め、残りはフランス人作家らしい、あらゆる方面へ飛び移る文章たち、隠喩的な描写、空想的かつ幻視的な描写が占めている。

でも、作品として内容として、流行ったのは分かる。心地良い文章に、美しい女性と歪んだ家族というモチーフ。そういうのって好きな人は多いと思う。
私は苛立ちにも悲しみにも似た暗い気持ちになった。文章も作品も素晴しいと思う。でも私にはどうしてだか苦し過ぎた。

クリスマスイヴの出来事


クリスマスプレゼントに彼がアロマディフューザーを買って来てくれた。
前に買ったDAYNA DECKERの別の香りのもの。私が気に入っていた匂いのもの。
私が欲しくても言い出せないだろうもの。もったいない、と言いそうなもの。
まさかクリスマスプレゼントなんてあるとは思わなかったから、本当にびっくりした。




クリスマスだからチキンだよね、と私が言ったら、じゃあタンドリーチキンがいいと彼。
クリスマスにインド料理。まぁいいか。
彼は私の手作りタンドリーチキンが大好物。




クリスマスケーキは近所のケーキ屋シュ・リュイで。
友達から引越祝いにもらったいちごのシャンパンと。

2010/12/24

『愛について語るときに我々の語ること』レイモンド・カーヴァー(中央公論社/村上春樹訳)

ずっと以前に、レイモンド・カーヴァーの何かを読んだことがあったと思うのだが、何を読んだのかすら覚えていないのだから、その時は然程感動しなかったんだと思う。
それでも何となくまたカーヴァーを買ってみた。

さて、今回はというと、やっぱり特別にものすごい衝撃を受ける(たとえばエリクソンの『黒い時計の旅』を読んだ時とか、ファウルズの『魔術師』を読んだ時とかのような)というのではなかった。
この前読んだ『and Other Stories -とっておきのアメリカ小説12篇-』と割と同じような感覚。どちらも短編集でアメリカ小説というのもあるかも知れない。でもまぁ、同じようだとは言え、私はカーヴァーのこちらの短編集の方が良かった。(もちろんいくつもの作品があるので好きなものとそうでないものというのはあるけれど)
中でも私は『出かけるって女たちに言ってくるよ』『デニムのあとで』『足もとに流れる深い川』『私の父が死んだ三番目の原因』『静けさ』が好きだ。

あー、レイモンド・カーヴァーってこういう感じなんだ、というのはよく掴めた。他のも読んでみてもいいなという気にもなった。

ブラックな感じがいい。絶望+救いのない感じ、さらにそれを投げ出しっ放しな感じ、またそのままの終わり方。私は嫌いじゃない。

私は気持ちの波が激しいので、こういうのがいい時もあればほっこり温かい救いと希望のある物語が読みたい時もある。
だからカーヴァーのこの作品が好きな人もいればそうでない人もいると思う。

Merry Christmas ☆

気付けば、今日はクリスマス。
今年はクリスマス用のイラストを描いてなかったから古い作品を漁ってみた。
昔のイラストとか絵を見て、昔の方がかわいかったりいいものだったりが多いような気がした。シンプルで、描きたいものを描いてるっていうか、迷いがないというか。単純に、悪くない、と思う。
今はなんだか面倒臭い自分になってしまった感じがする。色んなものを溜め込んでしまったせいなのか、複雑になり過ぎている。と、自分では思う。

8年前のイラスト。特にサンタでもクリスマス柄でもないけど、
かわいいからこのイラストで皆様にメリークリスマス☆

2010/12/22

sofa's fabric


ソファのファブリックサンプルが届いた。

生地を選んで張り替えまでお願いする予定のSTANLEY'Sさんで見つけた海外もののブルーのファブリック。日本の製品にはなくて海外からの取り寄せになった。

日本のものは青が少なかった。緑みたいな青だったり、鼠の入った薄い水色だったり、紺に近かったり。(写真だと照明の関係でこれも緑がかって見えるけど、実際はパキッとしたスカイブルー)
STANLEY'Sさんで聞いたら、キレイなブルーを出すのは難しいらしい。確かにイラレで作業している時も思うようなブルーをCMYKで作るのって難儀だもんなぁ。

織りと厚さが違う2種類。色はさほど変わらないから私は安い方でいいようにも思うけど、彼が帰って来たら要相談。

STANLEY'S http://www.stanleys.co.jp/
ナショナルインテリア http://www.nt-interior.com/

2010/12/20

Maori's accessories


フォトグラファーでアクセサリーアーティストのMAORIちゃんのアクセサリー。
合同展『ランタン』(@中目黒hygge)で見て一目惚れ。
丸い大きいのは指輪で、四角いのがピアス。

ソファを買ってくれた叔母へのお返しはMAORIちゃんのアクセサリーにした。
以前に私がつけていたのを見て素敵!と言っていたので。
最初はサプライズ的に私が勝手に選んで送ろうと思っていたのだけど、やっぱり欲しいものを言ってもらおうと思ってMAORIちゃんのサイトhttp://www.maori-tone.comで選んでもらった。
今日、縁縁のコラボ展の搬入でMAORIちゃんから商品を受け取ったので早速叔母に送った。
気に入って喜んでくれると嬉しいなぁ。

imagine2011@ギャラリーカフェバー縁縁


今日から縁縁でコラボ展です。
今回のテーマはimagine。 
私はエリクソンの文章からイマジネーションを得て、尚且つ自分の中で感じるimagineというものを絵にしました。想像は生に直結しているような気がします。生命というもの、子宮、水、大気、この世のあらゆるもの、そういうものを込めて描きました。 
私にとって<想像すること>はすなわち<生きること>なのです。 
想像力があるがゆえに死ねないのです。


ギャラリーカフェバー縁縁 http://enyen.jp/ 

『アムニジアスコープ』スティーヴ・エリクソン(集英社/柴田元幸訳)


これはこれまでに読んだエリクソンとはだいぶ違った。
この時期の作家に何かがあったのだろうかと思わざるを得ないような、自伝的要素を感じてしまう作品。
正直、これを最初に読んでいたら私はエリクソンの他の作品を読んだかどうかわからないし、エリクソンという作家を今のようには思えなかっただろうと思う。
ただ、この本のあとがきに訳者の柴田さんがとてもいい文章でエリクソンのことを表しているので引用しておく。
まず、僕にとって、エリクソンによるつまらない文章、というのはほとんどありえない。万一かりに、少し冗長ではないか、焦点が定まっていないのではないか、と思えるときでも、エリクソンの文章は、頭で操作するのではなく精神の奥底から言葉を引き揚げてくる人(と、あくまで僕には感じられる、ということなのだが)固有の強さ、烈しさがつねにみなぎっている。もしかしたら下手に書くことはありうるかもしれないが、力なく書くことは絶対にない人である。(p260)
私も柴田さんの感じていることに同感している。

2010/12/18

うっかりと唐突に

突然というよりもうっかりと唐突に、漠然とした『無』に滑り落ちることがよくある。
それは、幸せだったり楽しかったりしたことの代償のように思える。
だから私は幸せだったり楽しかったりすることが怖い。
何か特別な、頭で考えるよりも心が感じるような出来事に遭遇するのが怖い。

何もない、何とも遭遇しない、つまらない日々の中にいることを望んでしまう。
私には、失う(または手に入らない)淋しさより、単調でつまらない淋しさの方が何倍も何百倍も耐えられる淋しさだ。

誰かを想うこと、社会や世間を気にかけること、見知らぬ視線、そういうものを軽減しないと
私は生きていけない。

2010/12/15

年賀状



縁縁で年賀状の話をしたので、帰って来てからちょこっと描いてみた。
来年の干支って何だっけ?ってとこから始まって、うさぎ→バニーちゃんという何とも安直なイラスト。
やっぱりうさみみはどうなの?ってことで取っ払ってみたら、少し私らしくなった。
でも、それじゃあ年賀状じゃないんじゃない?ってことでこれはまたお蔵入りになっちゃうのかも。

常設絵画の取り替え


縁縁の展示絵画を新しい絵に替えた。

今回の絵は個人的に結構気に入っている。
じっと、ひとりきりで、静かに、見つめてもらえたら、
<喪失>を感じてもらえるんじゃないかと思う。


たとえ人は自らの大切な命を捧げようとも、
失ったものの埋め合わせをすることはできない。
         スティーヴ・エリクソン『エクスタシーの湖』

2010/12/12

ソファ

昨日、ソファを買った。以前に日記に書いたKarfのウェグナーじゃなくて、moody'sでドミノファニチャ−の50年物。
やっぱり坐り心地を優先した。

ファブリックは前の持ち主のアメリカ人が渦巻き模様にしてたので、さすがに張替える予定。
きれいな明るいブルーにしたい。

2010/12/08

『ant Other Stories』とっておきのアメリカ小説12篇(文芸春秋)



古本屋、赤い鰊で、なんとなく買ってしまった本。

内容については、特に深い感想はないけれど、内容がというものもあるし内容というよりは文章がというのもあるが、全体としてどの作品も良かった。
私は特にロナルド・スケニック、村上春樹訳『君の小説』が良かった。

2010/12/03

今月のブックカバー


今月のブックカバー(無料ダウンロード)をサイトトップにUPしてあります。
冬らしく、南天と空。

よかったら印刷して使ってください。

http://sachiko-yagihashi.com/