とても良かった。
私は明治、大正、昭和初期の日本人画家についてそれほど知識が無い。名前だってそんなに知らない。
だからこの本を読んでまず沢山の知らない画家の名前を知れたことが良かった。
それぞれの画家の私生活や性格まで分かって、当時の(洲之内さんが画商であった昭和36年〜)の日本のことも分かる。
何と言うのか、すごく新鮮な目線で画家を知ることができたように思う。
たとえば、美術館での解説と洲之内さんの書いている内容が同じであったとしても、洲之内さんの方は『絵好き』としてその絵に対峙しているからまるで違う内容のように感じる。
洲之内さんは画家とも友人関係にあったりするのでさらに画家に興味を持つことができる話が沢山あった。
ただ、残念なことに、私が読んでいた本は古本で、口絵がいくつか剥がされて無かった。
靉光の『鳥』とか、鳥海青児の『うずら』とかがあったはずなんだけど無かったのがちょっと残念。
それから、文中にいくつも絵が載っているのだけど、それが白黒じゃなくてカラーだったらいいのにと思った。(まぁそうなると画集になって高額になってしまうのかも知れないけど。)
とても良かったので洲之内さんの他の作品も読んでみたいと思っている。