四季というタイトル通り、春夏秋冬の順で綴られている四季が3つ。
春夏秋冬が3回。
私は変な気分になった。体の中を猛スピードで過ぎてゆく季節に気分が悪くなったのだ。
しかしそれだけ串田さんの文章が瑞々しいということなのだろう。
四季の姿があまりに鮮明に美しく書かれていて、数日で春夏秋冬を3回も巡って混乱したのだ。
* * *
今こうして書き忘れていた読書感想を書こうとして、私は内容をまったく覚えていないことに驚く。
串田さんの知人友人が出て来たし、山登りのこともあったし、串田さんの日々があり心があったことは覚えているが、どんなエピソードだったかはまるで思い出せない。
読み終えてしまうとそれは串田さんの一日でなく私の日々の一日でもあるような気さえして来る。
日本の四季、それは串田さんにも私にも同じように訪れる。
串田さんの『四季』を読んで、改めて四季の美しさと日々の素晴しさを感じた。