おとぎばなし。
オースター自身が『ピノキオ』との類似を指摘している。そういうお話。だからあっという間に読めてしまう。
オースターの作品は映画のように読めるエンターテインメント性に長けた作品ばかりだ。
今回の『ミスター・ヴァーティゴ』は中でも一番分かりやすい。難しいことがひとつもない、子供でも読める本だと思う(実際は子供にはショッキングな内容だけれど)。
天と地という構造で作品は成り立っている。語り手の一生を通し、色々な様々な意味の天があり地が展開する。
愛があり優しさがあり尊さががる。そういう本は読んでいて気持ちがいい。