ふと思った。
美術館は絵を見るところではなく勉強するところだよな、と。
美術館みたいに何枚も何十枚も絵が飾られていたら、1枚1枚の絵にきちんと向き合うことなんて出来ない。
でも、絵は、本当はじっくりじっくり向かい合わないとその絵が持っているものは分かってこないんじゃないかと私は思う。
自分が描いた絵もやっぱり、じっくりゆっくりじっと見て欲しいと思うし、そうすることでその絵の心(私というもの)が、じんわり浮かんでくるように思う。
だから絵を見るには「1枚じっくり」がいいと思う。
もちろん、そうは言っても、いい絵は一目でわかる。
美術館のように駆け足でサッサと見て行くような場所であっても、素晴しい絵はパッと見だけでこちらの心を掴まえられる。
私が美術館へ行くのは、直に自分の好きな作品を見ることにある(もちろん見たことがなくて見てみたいと思う場合もある)。
本物が持つ力というものは本物を見ないと分からない。
近寄って見て色やタッチや手法を勉強したりもする。
様々な作品を見ることは勉強になる。技術的な勉強というより、心の在り方の勉強になる。