2011/09/21

川上弘美『風花』(集英社文庫)






イライラした。
ちょうど台風15号が関東を通過するとかで、風はごおぉぉっと鳴り、雨は激しい音でアスファルトを打ち鳴らしている時だったから精神的にいつもと違ったのかもしれない。でも、主人公がたまらなく苦手だった。話の筋もあまり好きじゃなかった。
『椰子・椰子』はすごくいい感じなのになぁ。『おめでとう』も『ざらざら』も良かったのに。

長編(と言ってもそう長くはない)になると私は川上作品が好きではなくなってしまうように思う。
主人公とか登場人物とかすべて嘘くさくなって鬱陶しくなる。
長編は普通に現実の設定なのに、どうしてかそう感じる。
突拍子もない有り得ない不思議な話ばかりの短篇の方がずっと現実らしく感じる。

解説では小池真理子さんが「俗世と日常がよく書けている」というようなことを言っていたけれど、私には主人公は非俗で非現実的に思えてしまう。私には「こんな人いるか?」と思えてしまうのだけれど、世の中の女子はこんな感じなのだろうか?