2012/07/03

ビアズリ

先日、舞台『サロメ』のことを書いたのでその追記として。
『サロメ』といえば、挿絵を描いたビアズリ( Aubrey Vincent Beardsley )。
白と黒で描かれたビアズリの絵はサロメの雰囲気にとても合っている。邪悪さが漲っている。エロチシズムの割合もいい。サロメの挿絵集があったら欲しいなと思う。
池田満寿夫さんの『思考する魚1』の中にビアズリについての文章があって、すごく心に残ったので引用。
最近の版画やりたい願望にこれも一役買っていると思う。
ビアズリの白と黒は他の色彩を決して暗示さえし得ない白と黒である。それはわれわれの知っているドローイングの概念を完全にくつがえしたものである。すなわち黒と白はドローイングの概念では色彩ではなかった。ということはあらゆる色彩を暗示する可能性があるということである。ビアズリは他のいかなる色彩も感じさせ得ないということで、白そのもの、黒そのものの色彩の意味を明示した画家であった。