2014/05/28

『新版 放浪記』『風琴と魚の町』林芙美子(電子書籍ibooks)


林芙美子さんを初めて読んだ。
林芙美子さんといえば放浪記で、放浪記といえば森光子さんということくらいしか知らなかった。

読んでみて、感想は微妙。
おもしろくないわけではないんだけど、日記風な(◯月×日)という一節の内容が飛び飛びで、しかも時間の経過もまちまちで、全体の流れということでいえばわりとひどい作品。でもひとつひとつは悪くない。こういう場合どう評価したものか、と思う。

難しいことは一切書かれていないので、読みやすいという点では読みやすい。一節一節はおもしろい。でも同じことを何度も繰り返されて苛々もする。
なんていうか、ひっちゃかめっちゃかな感じ(それがウリなのかもしれないが)。

『放浪記』のあとに読んだ『風琴と魚の町』もほぼ『放浪記』と同じ。芙美子の幼い時の話。まぁこちらも微妙だけど短いのでこちらだけ読んだら好評価をするかもしれない。あとに読んでしまったから評価が下がっている気がする。


両方ともに出て来る方言の会話(九州、四国、岡山あたりの言葉)が出て来るのだが、私はよくわからなかった。

色々な作家(交流があった人や、読んでいる作家など)の名前が出て来るのはとても興味深かった。