2010/09/04

『狼の太陽』マンディアルグ短編集(白水uブックス/生田耕作訳)



初めは読みにくかった。
私は詩とフランス文学が苦手だからかも知れない。句点が遠い先にあり、長く続く言葉たちに飲み込まれて物語がまるで頭に入って来ないのである。
しかし、コツのようなものが分かってくると、独特の文体が案外悪くないと思えてくる。物語(内容)を読むのではなく、言葉や文章の幻想的な表現によって生み出される美しさだけを読めばいい。
とはいえ、フランスの貴族らしいその独特の文体はやっぱりちょっと苦手。