2014/08/07

画家の別所洋輝さん


ITmedia名作文庫にて原爆小説の傑作小説、原民喜『夏の花』と大田洋子『屍の街』が連載開始しました。

このふたつの装丁をお願いしたのは画家の別所洋輝さん。
とっても素晴しい画家さんで、私がどうしても別所さんの作品をITmedia名作文庫に載せたくて、ぜひにとお願いして描いてもらいました。

できあがってきた作品を見たときにあまりの素晴しさにぞくぞくしました。
装丁買いしたくなるような絵です。読んでみたいと思わせる装丁です。

お願いしてよかったなぁとしみじみ思いました。そして、引き受けてくれて本当に良かったなぁとつくづく思いました。

連載は無料で読むことができます。
この時期だからこその原爆小説をぜひぜひ読んでみてください。

別所洋輝さんオフシャルサイト→ http://hiroakibessho.jimdo.com/



『夏の花』
原爆文学の傑作と賞賛されてきた表題作は、疎開先の広島で被爆した原民喜が1945年に執筆を始めた作品です。当初「原子爆弾」という題名でしたが、GHQの検閲を考慮して被害状況の描写を削除するとともに、題名を「夏の花」に改め、1947年の三田文学に掲載されました。「夏の花」は「廃墟から」と「壊滅の序曲」を合わせた三部作です。この三部作に関係する「小さな村」、「昔の店」、「氷花」等を収録した単行本の『夏の花』は、1949年、能楽書林から刊行されました。ITmedia 名作文庫では無削除版が掲載されている芳賀書店版『原民喜全集』を底本に、能楽書林版『夏の花』に添ったかたちで電子復刊します。(準備中)




『屍の街』
戦前は少女小説家としても知られていた大田洋子が、広島原爆被曝の体験直後から書き綴った「屍の街」。1948年、中央公論社から発売されるが、GHQの検閲を考慮した「自発的な」削除版でした。著者は無削除版を1950年に冬芽書房から発行。ITmedia 名作文庫ではこの冬芽書房版を元に電子復刊します。巻頭には、同じく原爆をテーマにした作家、原民喜の解説を掲載。「(冬芽書房版の)序」「いまだ癒えぬ傷あと」「屍の街」「一九四五年の夏」「原子爆弾抄」を収録します。著者には放射線後遺症への不安をテーマにした「半人間」等の著作もあり、こちらも刊行を予定しています。(準備中)